前回、MA(マーケティング・オートメーション)は何をするためのものなのか、という解説記事を書きました。
そこでMAとは結局、「リード」を収集し、育成し、管理するものである、という結論を出しています。
本稿では、MAにおけるリードの扱い方についてもう少し具体的に見ていきます。

リードはどのように集まるのか
リードの定義は様々ですが、とりあえずここでは、自分たちのWebサイトにとっての「見込み客」が抱えるニーズ、とします。
Webサイトへのアクセスは、Googleアナリティクスなどを使って大まかに集計できます。
ですがGoogleアナリティクスにで収集できるデータだけでは、「リード」という意味では不十分と言えます。
MAでは、Webサイトへの雑多なアクセスを、なんとかして「リード化」しようとします。
「リード化」し、目に見える形で管理できるようにするんですね。
では、「目に見える形で」とはどういうことでしょうか。
サイトアクセスを「目に見える形」に – リード化
端的に言うと、「誰のどういうアクセスか」を見える化する、ということです。
具体的には、
- どこの会社(団体)か
- 誰か
ということ。
それから、上記のアクセスが、
- どのページを見たか
- いつ見たか
- 何回見たか
- それぞれのアクセス時、どのくらいの時間見たか
という、アクセス時の状況のようなものが把握できます。これはすごい。
誰のアクセスか、知るには
MAを使えば、「誰のアクセスか」を整理することができます。
会社(団体)を識別
多くのMAツールでは、特定のサイトアクセスが、どこの企業や団体からのアクセスなのかを識別することができます。
どうしてこんなことができるかと言うと、IPアドレスを照合するからです。
IPアドレスについては興味ある方は別途調べていただきたいのですが、法人が使うネットワークと、MA側で持っているIPアドレスリストを照合することで、どの法人からのアクセスなのか、自動的に判別することができるのです。
MAを導入すると、放っておいても、どの法人からアクセスがあったか、データとして残ります。
個人を識別
法人の識別はある程度自動でできちゃうのですが、個人の識別にはひと手間必要です。
具体的には、フォームを送信してもらう必要があります。
MAツールには、フォームを作成し、Webサイトの任意の場所に設置できる機能があります。
MA運用者はサイト運用者と連携をとり、一つあるいは複数のフォームをサイトに設置します。ユーザーがそのフォームに情報を入力し、送信することで、MA側にデータが蓄積されていきます。
基本的にMAでは、フォームに入力された情報をもとに、個人を識別します。

このあたりはけっこうデリケートな内容ですよね。
個人情報の取扱いには十分な配慮が必要ですし、セキュリティ対策も必須です。
MAは、運営者側がそのあたりしっかりとした意識を持って扱いましょう!
アクセスの詳細を、知る
誰か、ということがある程度識別できた上で、MAではさらに、「どういうアクセスか」ということを知ることができます。
具体的には、〇〇社のAさんのサイトでの行動を辿れます。
「何回サイトに訪れたか」はもちろん、そのアクセスごとに、「どのページを、いつ、何分何秒くらい見たか」ということがつぶさに分かるわけです。
これはすごい。

誰のアクセスか、そして、そのアクセスの詳細データが分かることにより、MAでかなり細密なデータを手に入れられます。
これがMAによる「リードの収集」。専門用語で言うところの「リードジェネレーション」です。

MA(マーケティング・オートメーション)では、かなり細かいアクセスデータが取得できます。ユーザーにとっては気持ち悪いかもしれません。
繰り返しになりますが、MAによって収集したリードの情報は、個人情報の観点からも、よく注意して適切に扱わなければなりません。
セキュリティの知識や情報取扱の知識、モラル面など総合的な知見を高めて、正しく運用しましょう。