先月(2020年12月)Googleは公式ブログの以下の記事と、後述の動画でユーザーの位置情報を検索結果にどう反映しているか、またどのように位置情報を取得しているかを公開しました。
サイト訪問者のアクセス元の地域情報はGoogleアナリティクスや広告のパフォーマンス解析で見るべき重要情報の1つです。本稿では位置情報取得の仕組み、正確性について取り扱います。仕組みを理解し、施策・分析に活かしましょう。
Googleが検索ユーザーの位置情報を取得する仕組み
以下の5つの情報から、Googleは検索ユーザーの現在のおおよその地域を推定し位置情報として取得しています。
- IP アドレス
- デバイスの位置情報
- ラベルを付けた場所(自宅や職場)
- ロケーション履歴
- Google サービス全体での過去のアクティビティ
※”おおよその地域”とは 3.0 km²の広さになります。通常その範囲内には千人以上のユーザーがいるため、個人までが特定されることはなく、プライバシーは守られるとGoogleは説明しています。
Googleがユーザーの位置情報を検索結果にどのように反映するか
上記の仕組みで取得した位置情報を、Googleは検索結果にどう反映し、ユーザーにとってどんなメリットがあるのかを以下の動画で説明しています。
例えば「ピザ おすすめ」などで検索すると、検索した地域のピザ屋さんが検索結果に表示されます。これが位置情報が活用されている例です。位置情報が全く考慮されなければ、SEO対策の施された訪問者数の多い大手ピザ屋のサイトであったり、検索言語によっては別の国のピザ屋が検索結果に表示されるかもしれません。
ユーザーの位置情報はどれほど正確か
ここからは主観的な内容になります。
それでは、Googleが取得しているユーザーの位置情報はどれほど正確かについてです。Googleアナリティクスで様々なサイトを見ている、経験的な所感としては、国のレベルでは正確、ただし都道府県レベルで精度は落ちてきて、市区町村はあまり正確ではないようです。
新潟県内でビジネス展開をしている企業サイトでも、Googleアナリティクス上では、Yokohama、Shinjuku City、Osaka、Minato City、Chiyoda Cityからのアクセスと判定されているデータが多くみられます。上記の位置情報判定の仕組み上、おそらくIPアドレスがこれらの新潟県外地域と紐づけされており、そのように表示されているのではないかと考えています。
Googleアナリティクスのユーザー属性 – 地域はあくまで参考として見るのが良いかと思います。これを元にこの町はアクセスが多いからチラシのポスティングを増やす、逆にあの町はアクセスが少ないからポスティングを減らすといった、オフライン施策への反映はお勧めできません。
Web広告とくにGoogle広告の配信地域設定ですが、市区町村レベルでは、
”取りこぼしはしたくない”なら地域を広めに設定、反対に”無駄打ちを減らしたい”であれば市区町村で設定が初めは無難ではないかと思います。実際の広告配信後の成果(狙い通りの地域に配信されていそうか否か)を見ながら設定を調整していくのをお勧めしています。
Googleの検索ユーザーの位置情報の取得の仕組みを理解してWebサイトや広告の施策・分析に活かしましょう