ディスプレイ広告は、いろいろなWebサイトやアプリなどに、画像とテキストを組み合わせた広告を配信できる仕組みです。
リスティング広告などに比べると、少ない費用でたくさん配信できるという特徴があり、一般に、認知拡大に効果的と言われています。
そんなディスプレイ広告ですが、「このサイトとこのアプリに出す!」というふうに配信先を指定してしまうのは、実はベストプラクティスではありません。
「このサイトとこのアプリに出す!」という指定は「手動プレースメント」と呼ばれますが、安易にこれをやってしまうと競争率が高すぎて表示すらされず、「広告の数字が全然動かない」という悲劇が待っているケースが多いです。
こちらの「プレースメントについて」という記事をご参照ください。
ではどうするのか。
「こんな感じの人に広告を見せたいんだ」というふうに、緩やかにターゲティングするんですね。これがオーディエンスと呼ばれるものです。
本稿では、GDN(Google Display Network)つまりGoogleのディスプレイ広告における、オーディエンスの種類を紹介します。
GDNのオーディエンスの種類(大項目)
Googleでは、設定可能なオーディエンス項目が予め用意されています。
以下の画像は、Google広告で、オーディエンスの項目を選択する画面です(代表的なものをピックアップしています)。
この中から例えばいくつかを選択すると、以下の画像のように広告グループに設定できます。
この画像の例だと、「ユーザーがお客さまのビジネスを利用した方法」の中の、「類似ユーザー」「ウェブサイトを訪れたユーザー」の中項目の中から、「すべての訪問者(Adwords)の類似」と「すべての訪問者(Adwords)」をそれぞれ選択しています。
いわゆる一般的なリマーケティングの設定ですね
(類似を入れるかどうかは議論の余地がありますが)
それでは、オーディエンスの代表的な大分類を一つずつ見ていきましょう。
【1】ユーザーの属性
1つ目はユーザーの属性です。
中項目には何があるかと言うと、下記の4つがあります(2021年1月現在)。
- 子供の有無
- 配偶者の有無
- 教育
- 住宅所有状況
「教育」は現役の大学生かどうか、「住宅所有状況」は、持ち家か賃貸か、ということを設定できます。
【2】ユーザーの興味や関心、習慣
文字通り、どんなものに興味をもっているユーザーに広告を配信するか、という設定項目です。「アフィニティ」と呼ばれています。
たくさんある「アフィニティカテゴリ」から、チェックボックスで選んでいくことが可能です。
「アフィニティカテゴリ」の一覧を紹介している記事はこちらです。
また、アフィニティ自体を自分で設計できる「カスタムアフィニティ」という機能もあります。カスタムアフィニティについてはこちらの記事をご覧ください。
【3】ユーザーが積極的に調べている情報や立てている計画
【2】のアフィニティから一歩進んで、積極的に調べるなどアクションを起こしている、よりモチベーションの強いユーザーをセグメントできるのがここです。
中分類として「購買意向の強いオーディエンス」「ライフイベント」の2つがあり、更にその下に非常に細かく小項目が用意されています。(2021年1月現在)
広告設計者は、この小項目の中からチェックボックスで選んでいきます。
アフィニティでいう「カスタムアフィニティ」に相当するものとして「カスタムインテント」という機能もあります。こちらはGoogleのシステムが自動生成してくれます。
【4】ユーザーがお客様のビジネスを利用した方法
これはいわゆる「リマーケティング」の設定です。
中項目として「ウェブサイトを訪れたユーザー」「類似ユーザー」「リストの組み合わせ」というのがあり、「ウェブサイトを訪れたユーザー」の中では、「すべての訪問者」「コンバージョンに至ったすべてのユーザー」のいう2つのユーザーリストがデフォルトで選択可能です。
この「すべての訪問者」は、予めサイトに埋め込んでおいたタグにより、アクセスしてきたユーザーを検知、内部的にリスト化しておいたものです。
「コンバージョンに至ったユーザー」については、その名の通りコンバージョンしたユーザーのみのリストです。
これらのリストは広告設計者が自由につくれちゃうんです。
たとえば「ページAを閲覧したユーザー」「フォームまできたけどコンバージョンしなかったユーザー」、さらには組み合わせで「ページBとCをみたけどDは見ていないユーザー」といったリストを作成することが可能です。
さらに、オーディエンスの対象が少なすぎる場合には、「類似ユーザー」という機能を使い、「すべての訪問者の類似ユーザー」といったリストも対象に含めるという手もあります。
Googleディスプレイ広告において設定可能なオーディエンスの種類で、代表的なものを紹介しました。
実に様々なオーディエンスが設定できることがわかります。
それぞれの中身を見ていくと、更に細かく設定項目が出てきますし、リマーケティング系のリストを作ればユーザーのモチベーションに応じた配信設計も可能になります。
このあたりを理解し、広告配信の設計に活かすことで、精度の高い広告配信が実現可能になります。