ドメイン認証をしてFacebook広告・Instagram広告を出稿

Facebook(フェイスブック)・Instagram(インスタグラム)広告の出稿は、ビジネスマネージャという、ビジネスに関するアカウント・ページ運用全般から広告出稿まで行えるツールを介して行います。

※余談ですが、「マネージャー」ではなく「マネージャ」です。
Facebook公式ページ・UI中の、語尾の長音符(ー)を省略する表記に則して記載しています。

以前の記事では広告出稿に項目・ツール、それぞれの繋がりを以下のように図解し、ビジネスマネージャによる広告出稿に関連する各ツールの用途を説明しました。

ビジネスマネージャによる広告出稿作業の中に、「ドメイン認証」というステップがあります。
上記図のドメインからビジネスマネージャに伸びる矢印が該当します。

前々から存在していましたが、2021年1月にiPhoneのOS、iOS14のリリース以降、必須の設定項目して注目されています。今回の記事では、広告で宣伝したいサイト/ドメインによる、広告出稿を行うビジネスマネージャの認証について説明します。

ドメイン認証とは

ドメイン認証とは、Facebookページ・Instagramアカウントで宣伝している、サイト(ドメイン)の広告出稿者と所有者が同一であることを、(広告プラットフォームとしての)Facebookに明示するための設定です。

基本的には、広告出稿者=サイト所有者で運用されていると思いますが、

例えば当記事筆者が、何の了承も得ず読者様のお勤め先を宣伝するようなアカウントを作ったり、広告を出稿することは仕組み上可能ではあります。

広告主・アカウント管理者≠所有者の状況では、(意図はどうあれ)誤ったコンテンツを発信してしまう、あるいなりすましによってユーザーに害のある行動(個人情報を収集するなど)を起こす可能性があります。
ユーザー、また広告プラットフォーム(Facebook社)側からみると由々しき事態です。

そこで、Facebookはビジネスマネージャ使用者(広告出稿者)がドメイン(サイト)所有者であることを担保するための機能として、「ドメイン認証」機能を提供しました。

ただ、こちらはあくまで「任意」「推奨」の設定でありました。

「このウェブサイトは私が所有者です」という事をFacebook側に明示するための設定です。
iOS14アップデート対応に必須とアナウンスされている事項となります。

「広告出稿にはドメイン認証が必須」になった経緯

では、なぜ昨今、広告出稿にはドメイン認証が「必須」と言われるようになったのか。

それは主にiPhoneのOS、iOS14リリース(2021年1月)によるものです。

プライバシー保護の観点でWeb広告によるユーザー追跡が厳しくなり、iOS14以降、Facebook広告では、ドメイン単位で追跡できるイベント(コンバージョンなど)が8件に制限されました。

そしてその8件のイベント設定・優先順位付けをするためにはドメイン認証が必要ということとなり、「Facebook・Instagram広告の出稿にはドメイン認証が必須」と言われるようになったわけです。

iOS 14での変更で特に影響が大きいのは、最適化とレポートに利用できるコンバージョンイベントがドメインごとに8つに制限される点です。ドメイン認証を行うことで、対象のドメインでこの8つのコンバージョンイベントの設定・優先順位付けを行う権限のあるビジネスマネージャアカウントが確立されます。

ビジネスヘルプセンター「ビジネス認証にドメイン認証を使用すべきなのはどのような場合ですか。 」https://www.facebook.com/business/help/245311299870862

ドメイン認証の方法

ビジネスマネージャ

「ビジネスマネージャ (https://business.facebook.com/overview)」は、すべての広告アカウント、(Facebook)ページ、Instagram、アプリ、およびユーザー権限を、まとめて管理できるツールです。Facebook/Instagram広告出稿だけでなく、ページの運用・管理などFacebook/Instagramに関すること全般でこのツールを使用します。

ビジネスマネージャで
ブランドセーフティ>ドメイン>[追加]で、認証したいドメインを追加します。

サブドメインやサブぺージは認証できませんので注意しましょう。

ビジネスにリンクしたいドメインを正しいフォーマットで追加してください。認証できるのはルートドメイン(example.com)のみです。サブドメイン(store.example.com)やサブページ(example.com/store)は認証できません。先頭にプレフィックス(http://またはhttps://)を付けないでください。

設定画面より

ドメイン認証に移ります。2021年6月末現在、以下の3種類があります。
・HTMLソースコードにメタタグを追加する
・ルートディレクトリにHTMLファイルをアップロードする
・ドメインレジストラーでDNS TXTレコードを更新する

おすすめは真ん中の「ルートディレクトリにHTMLファイルをアップロードする」です。
表示される内容に沿って行えば、特に支障なく作業完了出来ます。

多くの場合、2番目以外がビジネスマネージャ担当者の作業になります。
2番目の「1でダウンロードしたファイルをルートディレクトリ」に置く作業は(あるいは設置後確認の3番目も)、サイトの保守管理者へ依頼しましょう。

公式のこちらのページも参照ください。

ドメイン認証済の情報の共有

ドメイン認証を行うのは1つのビジネスマネージャのみです。

ただ、広告出稿を行うビジネスマネージャが2つ以上の場合もあります。広告運用をインハウスから広告代理店・代行業者に切り替える場合などです。

その場合、代理店側のビジネスマネージャでドメイン認証を・・といった作業は不要です。ドメイン認証済みの情報を代理店側のビジネスマネージャに共有することで解決します。

ビジネスマネージャで
ブランドセーフティ>ドメイン>(認証済みのドメイン)>[パートナーを割り当て]で、
認証済みの情報を共有したいビジネスマネージャのIDを指定します。

ビジネスマネージャのIDは、ビジネス設定メニューの[ビジネス情報]から確認することができます。

広告主→代理店の例でご紹介しましたが、逆に代理店が認証→広告主への共有も、同じ手順で可能です。 

記事としては長い内容になりましたが、設定自体はそれほど手間のかかるものではありませんのでご安心を。
基本的に一度きりの設定ですので、サクッと終わらせましょう。

お問い合わせはお気軽に。

この記事を書いた人

KA⚡AI

新潟県出身。早稲田大学卒業後、オーストラリアで修士、東京で経営管理システムコンサルティング、台湾の事業会社でのWebマーケティング・セールスを経て故郷新潟へUターン。2020年7月より現職。