マーケティングの計画には、データが必要です。データには定量データと定性データがあります。アイデアを出すには定性データがより重要で、その定性データも漫然と得られるものではありません。
マーケティングをシンプルに(整理)
この記事は、「マーケティングをシンプルに。」というテーマで書く、一連の試みのうちの1本です。
「マーケティングをシンプルに。」ではここまで、下記の内容を考えてきました。
マーケティングは、次の2ステップで考えると良い。
1「顧客を分類する」
2「分類した顧客に対し、適切な訴求をする」
顧客の分類方法は、自分たち専用のものを探すべき。
たたき台となる分類案として、以下のものを提示。
1「未認知の人(購入なし・認知なし)」
2「昔の客(過去に購入あり)」
3「見込み客(購入なし・認知あり)」
4「常連客(継続購入中)」
5「遠巻きのファン(購入ないけどファン)」
6「サポーター(購入中のファン)」
定量データと定性データ
データには、数えられる「定量」データと、数えられない「定性」データがあります。
顧客を分類したとき、この層に何人いるか、とか、この層の顧客のうちファンは何%か、といったデータが得られます。これは定量データです。
定量データは、切り口や視点によっていくつものパターンが得られます。どの切り口を使って、どういうデータを取得し、どう分析するか。これはマーケターの腕の見せどころです。
ただ、定量データばかり集めて数字とにらめっこしていても、マーケティング施策のアイデアはなかなか出てこないかもしれません。
そんなときは、「定性データ」を得る努力をしてみましょう。
定性データは、数値化できない、質的なデータです。顧客の心理状態なんかも含まれます。
取得するのも難しければ、分析するのも難しい。
ですが、定性データにヒントはたくさん詰まっている、と私は考えます。
定性データは、どのように取得すればよいのでしょうか。
定性データの取得方法
定性データの取得方法として、最も基本的なものとして「アンケート」があります。
例えば、Q:「このブランドを知っていましたか?」という質問に対して、A:「知っていた」「知らなかった」という回答を用意している、というようなケースだと、定量データしか得られません。
ですが、Q:「このブランドをどう思いますか?」という質問を用意し、記述式の自由回答にすれば、定性データが得られます。
ただ、この方法で得られるデータには、実はあまり期待できません。
まず第一に、自由回答のアンケートを書く面倒くささ、という大きな壁があります。めんどくさいので、人は多くの場合、適当に書きます。(私もだいたい適当に書いちゃいます)
それから、記入してもらった自由回答をたくさん集めて、「さあ見てみよう」となったとき、その回答の背景が分からず、深い考察がしづらい、というのもありそうです。
では、どうすればいいのか。
分析できる質の高い定性データを取得するには、「ひとりの顧客を徹底的に深堀りする」というやり方がいいのではないか、と私は考えます。
ひとりの顧客を徹底的に分析する、ということについて、次回もう少し書かせてください。
定量データも大事ですが、分析はできてもアイデアの創出には結びつきづらい。ひらめきにつなげるには、定性データが必要です。
ただ、定性データも、アンケートなどで漫然と集められるものでは意味がないかも。質の高い定性データを取得するには、「ひとりを深堀りする」のが良い気がしています。
続きは次回。