最近の調査によると、Instagramではカルーセル形式の投稿がよりエンゲージメントを高められる可能性が高いという結果が出ているそうです。
1つの投稿あたり最大10枚の複数の静止画と動画を組み合わせて構成する投稿形式です。スワイプごとに切り替わります。広告では、一つの製品・サービスを複数の側面から詳細に紹介したい場合や、複数の製品を紹介したい場合に有効です。リンクはそれぞれに対し設定することが可能です。
Socialinsider社はこちらの記事(英語)で2200万件以上のInstagramの投稿を調査し、カルーセルが最も多くのエンゲージメントを生んでいることを発見。また、成功しているカルーセルの投稿の共通点を分析しています。
当記事では、調査結果の主要なポイントをいくつかをご紹介します。
投稿種別エンゲージメント率比較
この調査ではカルーセル投稿と画像投稿・動画投稿のエンゲージメント率を比較しています。
その結果は・・
carousels outperform images and videos, reaching an average engagement rate per post of 1.92%, compared to 1.74% for images and 1.45% for videos.
https://www.socialinsider.io/blog/instagram-carousel-research/
1投稿あたりの平均エンゲージメント率は、画像が1.74%、動画が1.45%であるのに対し、カルーセルは1.92%であったとのことです。
また、設定上限の10枚構成のカルーセル投稿ではエンゲージメント率は2%を超えるとの結果も出ています。次項で紹介します。
効果的なカルーセル投稿の作り方
2200万投稿(そのうちの300万枚のカルーセル投稿)の調査の結果、効果的なカルーセル投稿の特徴として以下の3点が挙げられました:
①多数のスライド構成も検討の価値あり
枚数が多いとエンゲージメント率が下がりそうなので、このカルーセルは2,3枚の構成に留めておこうか・・と直感/経験的に考えることはしばしばあると思います。
それはある場合には正解でありますが、間違いである場合もあるようです:
2200万投稿(そのうちの300万枚のカルーセル投稿)の調査の結果、以下のデータが得られました:
2枚構成の場合の平均エンゲージメント率は1.90%、3枚になると1.81%に下がり4枚では1.70%まで下がります。しかし5枚から枚数が増えるごとに平均エンゲージメント率は上がっていき、8枚で1.91%とそれ以降で2枚構成よりも高いエンゲージメント率が見られたようです。
この結果から、(単純に構成枚数では)3枚以上なら8~10枚構成の方が期待値は高くなると言えます。
②画像と動画を組み合わせると尚良
どのメディア形式(画像、動画、両方とも)でカルーセルを作成すべきかについては、以下の結果が出ています:
While image carousels get an average engagement rate of 1.80% and videos receive 1.86%, mixed carousels that include both types increase performance to a 2.33% average engagement rate.
https://www.socialinsider.io/blog/instagram-carousel-research/
カルーセル投稿内に画像と動画を組み合わせた場合が最もエンゲージメント率が高くなります(2.33%)。動画だけのカルーセルの方が、画像だけのカルーセルよりもエンゲージメント率が少し高くなるのも興味深い結果です。(動画のみ1.86% > 画像のみ 1.80%)
※留意事項として、得たいエンゲージメントが「コメント」の場合は順位が異なってくるようです
This is an essential insight if one of the goals of a campaign is to start conversations, rather than receiving many likes and high engagement overall.
https://www.socialinsider.io/blog/instagram-carousel-research/
Carousel posts receive a median of 7.99 comments per post. That is more comments than images (5.7), but fewer than videos (11.1).
平均コメント数は動画のみのカルーセルが最も多く(11.1コメント)、次点で混合カルーセル(7.99コメント)、画像のみのカルーセルが最も低い(5.7コメント)結果になりました。
③スワイプを促す文言を入れる
カルーセル投稿の内容に次のスライドを見るためのスワイプを促す文言(「左へスワイプ」など)を入れるとエンゲージメント率が高まる調査結果も出ています。
These swipe-related hints offered in the caption boost the average engagement rate per post from 1.83% to 2%.
https://www.socialinsider.io/blog/instagram-carousel-research/
スワイプを促す文言がない場合の平均エンゲージメント率 1.83%に対し、文言がある場合は2.00%に上昇するようです。
いかがでしたしょうか。調査では投稿の質や比較する対象の量、投稿時間といったエンゲージメントに関わりうる要因全てを揃えているようではないようなので、結果に当てはまらない場合もしばしばあると思われますが、参考になる部分があれば試してみる価値は十分にあるでしょう。
国内事例では、メルカリの躍進はカルーセル広告を活用した為とも言われています。
カルーセルタイプの投稿に占める割合も年々増えています。広告でカルーセル投稿をまだ試していない場合は一度試してみてはいかがでしょうか。