CV設計:「マクロコンバージョン」と「マイクロコンバージョン」

ウェブマーケティングで欠かせないのが「コンバージョン」という概念です。

ビジネスの目的に応じて、ウェブ上でのユーザーがとる特定のアクションを「コンバージョン」として計測します。例えば「フォームの送信」などはコンバージョンの代表的な例です。

コンバージョン設計は、運用者が手動で行います。ウェブ広告の各種プラットフォームにおける「コンバージョントラッキング」や、Googleアナリティクスによる「目標」などで設定し、計測します。

マクロコンバージョンとマイクロコンバージョン

この「コンバージョン」ですが、闇雲に設定してしまうと、のちのちマーケティング施策が迷路に入り込んでしまう要因となります。

ビジネスで、ひいてはウェブで「何を達成したいのか」(= KPI:Key Performance Indicator, 重要経営指標)を考え、関係者全員で共通認識を持つところから始めましょう。

「何を達成したいのか」を決めたら、そこに向かう道筋を設計します。

ウェブ上でユーザーがとり得る様々なアクションが、ビジネス目標にどのようにつながるのか、想定します。
ひとつのアクションだけがコンバージョンになるわけではありません。ビジネス目標から遠い、小さなユーザーアクションでも、どこかでKPIにつながっている可能性があります。
ユーザーの行動フローを知る意味でも、コンバージョンは、複数設定しておいたほうが効果的です。

ビジネス目標に直接つながりうるアクションは、「マクロコンバージョン」と呼ばれます。「主要なコンバージョン」という意味です。

それに対し、メインではないものの、マクロコンバージョンに到達する前の段階で貢献し得るユーザーアクションもあります。これは、「マイクロコンバージョン」と呼ばれます。

「マクロコンバージョン」と「マイクロコンバージョン」。この二つのコンバージョンをきちんと区別し、またウェブサイトの設計に組み込むことで、マーケティングの分析、施策立案がしやすくなります。

サイト種類によるコンバージョン設計の違い

サイト(つまりビジネス目標)によって、コンバージョンとして設定するアクションは異なります。
運用するサイトがどういうサイトなのか、何を目的としたサイトなのか、ということをよく吟味して、コンバージョンを設計しましょう。

ECサイトのコンバージョン

ECサイトは、コンバージョン設定がとてもわかり易いです。
1回のコンバージョンの価値(=金額)もつけやすいため、目標に応じた広告予算も考えやすいでしょう。

ECサイトのマクロコンバージョン例

・商品の購入

ECサイトのマイクロコンバージョン

・メルマガ登録

・商品に関するお問い合わせ

・SNSのフォロー

・商品紹介ページの閲覧(滞在時間長め)

などなど

見込み顧客発掘サイト

リードを獲得するためのサイトですね。集客型のコーポレートサイトなんかもここに入ると思います。

見込み顧客発掘サイトのマクロコンバージョン例

・資料請求

・イベント予約

・来店予約

見込み顧客発掘サイトのマイクロコンバージョン例

・お問い合わせ

・動画の再生

・SNSのフォロー
などなど

メディアサイト

ブログや企業のオウンドメディアなど、コンテンツを主軸としたサイトです。こういったサイトのコンバージョン設定は上記の2つよりやや難しいかもしれませんが、きちんと設定してあげることで、コンテンツマーケティングの方向性も定まりやすくなります。

メディアサイトのマクロコンバージョン例

・取材依頼

・記事の閲覧数や時間

メディアサイトのマイクロコンバージョン例

・感想コメント

・特定バナーのクリック

・SNSのフォロー

などなど


マクロコンバージョンとマイクロコンバージョンの違い、および、サイトの種類に応じたコンバージョン設定の区別について解説しました。

コンバージョン設定を間違えると、どんな施策にもズレが生じてしまいます。
ここは注意深く検討したいものです。

お問い合わせはお気軽に。

この記事を書いた人

樋口 大輔

新潟県新潟市出身。信州大学を卒業後、東京の出版社に就職。その後、日本とアジアを放浪。社会復帰し、ウェブ制作会社(東京)〜ウェブ制作会社(新潟)を経て、2015年5月キタック入社。2020年4月より現職。