Web広告が一向に配信されない時の原因と対応

運用型のWeb広告は、各プラットフォーム(GoogleやYahooなど)のWeb管理画面上で諸々の設定を行い、配信します。

たまに、「ちゃんと設定したはずなのに、数字がゼロのまま、一向に配信されない…」ということが起こります。

キタックの人

運用担当者にとっては、肝が冷える状況ですよね…

当社でも恥ずかしながら何度かそういう経験があります。
そういった経験の中から、配信されないときの原因と対応方法を、パターン別にまとめてみました。

1. 広告が審査中

まずは最も重要な点です。

どのWeb広告も、配信するためには審査を通過し、プラットフォームの承認を得る必要があります。
審査は、広告クリエイティブ単位で行われます。

リスティング広告なら見出しと広告文とリンク先URL、ディスプレイ広告ならこれに画像も加えて審査が入ります。
広告を新規作成するときはもちろん、広告内容を変更するときにも審査は入ります。

審査の時間は、経験上だいたい1日以内ですが、時期や内容によっては数日以上かかることもあります。

ですので、「設定したはずなのに配信されてない…」なんてときにまず疑うべきところはここです

広告ごとに、審査ステータスを確かめてみましょう。「審査中」だったら広告は配信されません。

下記は、Google広告でのステータス確認画面です。「ポリシーの詳細」という項目で広告ごとに確認できます。「承認済み」となっていれば審査は終わり配信できる状態です。

Google広告「ポリシーの詳細」

対応方法

一にも二にも、きちんと広告の審査状況を確認すること。

ただ、あまりにも審査に時間がかかっているときは、プラットフォームに問い合わせてみたほうがいい場合もあります。

それから、広告や広告グループ、場合によってはキャンペーンを新しく作り直してみたりすると、なぜかすっと審査を通過する、というケースもあります。

2. 支払い方法の問題

次に、以外と盲点なのがこれ。「支払い方法」の問題です。

支払い方法は多くの場合クレジットカードでしょうが、このクレジットカードが期限切れだったり、上限金額に達していたりと、何らかの問題があって決済できないと、広告の配信が止まってしまいます。
あとは原因不明の決済エラーもありました。相性の問題なんでしょうか…

それから、手動で入金する設定にしていると、その入金を忘れていると動かないです。

当たり前のように思えますが、広告の設定にばかり気を取られていると、支払い方法に目を向けづらかったりもするので、頭の片隅に入れておくといいでしょう。

対応方法

  • 登録するクレジットカードの期限や上限金額などはちゃんと確認しておくこと
  • 予備のクレジットカードを登録しておくこと
  • できるだけ自動入金にしておくこと
  • 原因不明のエラーで決済不能になったら、カード会社を変えてみる
キタックの人

支払い方法については充分注意しておきましょう。
大きな声では言えないですが、私もたくさん痛い目にあって、かなり細かく注意するようになりました…
原因不明の決済エラーも何度かあって、その場合はカード自体を変更しました。
〇〇○カードだとFacebookの決済ができないけど、▲▲▲カードならできるとか、別のアカウントならできるとか、そういうケースもあったりします。

3. ターゲットを絞りすぎ

一番原因が特定しづらく、けれども一番あり得るのがこれです。
ターゲットを絞り込みすぎて広告の表示機会が得られず、数字が動かない、ということがあります。

こればかりは本当にケースバイケースなので、試行錯誤してやっていくしかないのですが、実際にボトルネックになった設定を紹介します。

  • ユーザー属性で年齢を絞り込みすぎた
  • 配信面を絞り込みすぎた
  • プレースメントを絞り込みすぎた
  • カスタムオーディエンスを絞り込みすぎた
  • コンバージョン最適化の入札戦略をとったがそこまで最適化されなかった
  • 完全一致やフレーズ一致ばかりでキーワード設計した(リスティング広告)

上記はあくまで一例とお考えください。

この場合、設定上のエラーはなく、問題ないため、配信準備は整っています。が、数字が動かない。
一つ一つ設定を見直していくしかないですが、予め様々な可能性を頭に入れておけばリカバーも速やかにできます。

対応方法

ディスプレイやSNS広告では、ターゲットをあまり絞り込みすぎない、というのが大前提かもしれません。設定上可能なので、やってみたい気持ちになりますが、ぐっとこらえ、「ゆるやかなターゲティング」「リーチの確保」を心がけてください。

リスティングの場合は、最初からキーワードを狙い撃ちするのではなく、キーワードに幅をもたせ、かつ部分一致から始めて、運用しながら段階的に絞り込んでいくのがいいでしょう。

4. システムエラー

Web広告は、大手IT企業が運営するアドネットワークシステムに、全面的に依存した仕組みです。
システム不具合も、ヒューマンエラーもあり得ます。GoogleにしろFacebookにしろTwitterにしろ、日進月歩でシステムの改良を行っており、改修を加え続けています。流動的で可変で柔軟なものなのです。

Web広告は、そんな変化し続けるプラットフォーム上で管理されている、不安定なものである、という認識は必要だと思います。「絶対」ということがないんですね。

キタックの人

実際、こちらからすると原因不明のシステムエラーというのはよくありました。
特に、システムが不安定になるのは、大規模なアップデートの前後が多い気がします。

対応方法

「絶対」ということがない、システムエラーがあり得る、という前提で運用する事が必要です。
余白を設けておく、とでも言うのでしょうか。

大きい会社なんかだと、なかなか上層部に理解してもらうのが難しいとは思うので、そのあたりのリスクヘッジを、担当者レベルでしておいたほうがいいでしょう。

また、プラットフォームへの「問い合わせ」やサポートが受けられる場合は、積極的に活用するべきです。

それから、数年前ですが、運用していた広告がいつのまにか停まっていた、ということもありました。最低でも一日一回はアカウント画面を開いて、運用状況を毎日チェックすることが重要です


Web広告が配信されない時は、慌てずじっくり原因を考えてみてください。
だいたい上記の4パターンのどれかに当てはまると思います。

広告運用者の一助となれば幸いです。

お問い合わせはお気軽に。

この記事を書いた人

樋口 大輔

新潟県新潟市出身。信州大学を卒業後、東京の出版社に就職。その後、日本とアジアを放浪。社会復帰し、ウェブ制作会社(東京)〜ウェブ制作会社(新潟)を経て、2015年5月キタック入社。2020年4月より現職。