当記事ではディスプレイ広告やFacebook(フェイスブック)広告などのポリシーの一つである、通称”20%ルール”を通して、広告用バナー画像内のテキスト量について考えていきます。
広告の”20%ルール”とは
ディスプレイ広告やFacebook広告の広告ポリシーのひとつの通称です。
広告バナー画像中のテキストが、画像面積の20%以上を占めている場合、ペナルティ(広告の配信量が減る・広告審査に落ちるなど)が課されます。
当ルールはFacebook広告が有名ですが、Facebook広告では2020年9月下旬に廃止されています。
Googleのディスプレイ – レスポンシブ広告では、2020年12月現在、まだ適用されています。
Facebook広告では当ルールは廃止されていますが、「画像内のテキストを20%未満に抑えると、パフォーマンスが高くなる」という表記は残っています。バナー内のテキスト割合は減らすべきという見解は、どの媒体でも共通しているようです。
“20%ルール”の背景
それではなぜ、画像内のテキストを20%未満に抑えるべき理由 – なぜそうすると、パフォーマンスが高くなるのか考えていきましょう。ここからは主観的な内容になりますが、その理由としてはだいたい以下の2つに収斂されるのではないでしょうか:
- 3秒以内に伝える
- タイムラインとの親和性
一つ目は、ユーザーのサイト内アクションの頻度に関連しています。
・ページをスクロールする頻度
・ページ内コンテンツをクリックするか否か
・広告をクリックしたLPを読み進めるか直帰するか
など、これらはだいたい「3秒」で判断・実行されると言われています。
画像+テキストの広告では、まず画像の方が、(テキストよりも専有面積が大きい場合が多いので)ユーザーの目に留まると考えられます。クリック有無も3秒で判断されるとすると、一目で情報を伝えきる・印象に残す必要があります。その時に画像内にテキストが多く入っていると、読み飛ばされる・印象に残らない可能性があります。広告画像は、テキスト量を少なめにして注意を引く役割に特化させ、広告テキストの方で説明、広告のクリックを訴求するのが”20%ルール”が提唱するベストプラクティスなのではないでしょうか。
二つ目の「タイムラインとの親和性」も、SNS広告の成果を上げるための重要なポイントです。広告バナー内のテキスト量が多いと、「広告っぽさ」が出てしまいタイムラインに馴染まない・悪目立ちし、ユーザーから好まれない傾向があると言われています。画像内テキストを少なくすればこうした機会損失は防げ、自然なかたちで訴求出来るので、推奨されているのかと考えられます。
広告バナーの適当なテキスト量は?
最後に、「広告バナーの適当なテキスト量は?」について考えていきましょう。
たしかに、”20%ルール”は上記の通り理にかなっていると思います。しかしながら、広告主としては画像内にテキストを多く入れたい・その方が成果が出やすい場合も往々にしてあるでしょう。
冒頭の問いに対する回答は、月並みですが、結局のところケースバイケースなのではないでしょうか。
昨今では、画像で訴求する広告の種類も複数種類あり、1枚だけでなく、複数枚の切り替えで見せるものもあります。カルーセル広告や、スライドショーのようなストーリーズ広告などです。
カルーセル広告やストーリーズ広告では、最初の画像はテキストを極力減らし画像はユーザーの注意を引くことに注力させ、2枚目以降で画像内テキストを増やして訴求するといった、”20%ルール”がもたらすメリットも活かした訴求も可能性です。
何よりも重要なのは広告成果を上げることですので、バナー内テキスト割合が高い広告・少ない広告、カルーセル広告で1枚目はバナー内テキストなし/少な目・2枚目以降バナー内テキストを増やす、など複数パターンで配信し効果検証を繰り返し、自社にとってのベストプラクティスを見つけましょう。