図解!5つのアトリビーションモデル

アトリビーションと、アトリビーションモデル

マーケティング分析を行う上で、「アトリビーション」の考え方は非常に重要です。

このマルチチャネルの時代、ユーザーがなんらかのコンバージョンに到達するとき、単一の接点(=チャネル)が起因となることは少ないでしょう。

「アトリビーション」とは、コンバージョンに到達したユーザーが接触した様々なチャネルの貢献度を測定するための概念です。

以下の記事に、解説があります。

そして「アトリビューションモデル」とは、アトリビューションを測定する、つまり各チャネルの貢献度を割り振るための考え方のルールです。

代表的なアトリビューションモデルとして、以下の5つを取り上げます。

  • 終点モデル
  • 起点モデル
  • 線形モデル
  • 減衰モデル
  • 接点ベースモデル

5つのアトリビューションモデル

ユーザーがコンバージョンに至るときに触れるであろう様々な広告。それらの貢献度を測定するための枠組みが、アトリビューションモデルです。

代表的なアトリビューションモデルが5つあります。

1:終点モデル(ラストクリックモデル)

コンバージョンにいちばん近い、最後に見た広告に100%の貢献度を割り当てるモデルです。

最も一般的かつ理解しやすいモデルであり、Google広告においてもデフォルトで設定されています。

費用対効果が合わせやすく、顕在層のコンバージョンを測定する上で有効です。逆に、潜在層に対する広告を評価するのには向いていません。

2:起点モデル(ファーストクリックモデル)

終点モデルとは正反対のモデルで、最初に見た広告に100%の貢献度を割り当てます。

接点を持ったきっかけに評価を与えるという意味で、潜在層に向けた新サービス、新商品の認知拡大や、新規ユーザーとの接点獲得が目的の施策のときに有効です。

3:線形モデル

コンバージョンに至るまでに、ユーザーが接点を持ったすべての広告に均等に貢献度を割り当てるモデルです。

様々なバリエーションの接点が想定されるときに、どの接点がよくてどの接点が悪かったのか評価することができます。
ただしこのモデルを採用するには、一定量以上のまとまったデータが必要になります。

4:減衰モデル

線形モデルと同様に、コンバージョンに至るまでのすべての接点に貢献度を割り振ります。ただし割り振り方が均等ではありません。最後の接点に最も高い評価をつけ、そこから前に遡るごとに貢献度を減らしていきます。

考え方としては「終点モデル」に近く、比較的慎重なアトリビューション分析に向いています。

5:接点ベースモデル

線形モデル、減衰モデルと同様、すべての接点に貢献度を割り振ります。ただし、最初の接点と最後の接点に多くの貢献度が与えられるという点で異なります。

コンバージョンに至る流れの入口と出口を両面から評価します。

アトリビューションモデルの選び方

広告手法が多様化した現代では、マーケティング戦略に対して、分析するためのアトリビューションモデルを選び、そのルールに従って広告ごとに貢献度を割り振ると、見えてくるものがある、ということですね。

例えばぜんぜん効果がないと思っていたYouTube広告が、「接点ベースモデル」で分析すると、かなりコンバージョンに貢献していた、なんてことが起こるわけです。これが見えれば、「YouTube広告コンバージョンにつながらないからやめよう!」なんて乱暴な考えが防げます。

というわけで、自分たちが行っている戦略に対して、適切なアトリビューションモデルを選択する、ということがとても重要になります。

アトリビューションモデルの選択基準チャート

アトリビューションモデルを選択する時の参考にするのに、有名な図があります。

左側のモデルほど慎重志向のケースに向いていて、右側のモデルほど成長志向のケースに向いていますよ、というチャートです。

慎重志向

慎重志向とは、手堅い施策を行い、着実にコンバージョンをとっていきましょう、という考え方です。

例えば顕在層を確実に狙っていくようなパターン。
商品名がすでに幅広く知れ渡っていて、ECサイトで購入できる。このようなときは、終点モデルやそのとなりの減衰モデルを採用してみてはいかがでしょうか。

コンバージョン直前の、最後の決め手となる広告に多くの貢献度が割り振られ、評価されます。反対に、コンバージョンから遠い接点は評価されないため、予算の削減や施策の停止などの判断ができます。

成長志向

逆に成長志向は、いろいろ模索しながら、とにかくこれから伸ばしていきましょう、という考え方です。

例えば、新商品を発売した、新サービスをリリースした、新しい市場に新規参入した、というようなケースですね。

例えばブログ記事で初めて新商品の存在を知り、その後、動画やSNSなどで見かけながら、最終的に公式サイトでの購入にたどり着くようなパターンを想像してみてください。

この場合だと最初の接点であるブログ記事に最も大きな評価を与えるべきかもしれません。起点モデルはそういうルールですし、「いやいや、やっぱり最後の接点も評価しなくては」というときは、接点ベースモデルを採用しましょう。

キタックの人

計画段階で適切なアトリビーションモデルを選択し、広告の評価基準を揃えておくことで、広告費用を適切に再配分することができるようになるはずですね。

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この記事を書いた人

樋口 大輔

新潟県新潟市出身。信州大学を卒業後、東京の出版社に就職。その後、日本とアジアを放浪。社会復帰し、ウェブ制作会社(東京)〜ウェブ制作会社(新潟)を経て、2015年5月キタック入社。2020年4月より現職。