計測ロジックが異なる
Web広告においてもっとも重要な指標は、コンバージョンを除けば「インプレッション(表示)」と「クリック」でしょう。
広告配信レポートには、クリック広告がユーザーの画面に表示された回数 = 表示回数があり、そのうち何回クリックされたのか = クリック数 が常に算出されます。
クリック数÷インプレッション数×100=クリック率 です。クリック率は、広告の反応ぐあいを見定める、大事な数値です。
さて、上記のように数字を見ていくと、表示回数がクリック数より少ないなんてことは、理論上なさそうです。なさそうなんですが、実際の広告配信レポートには、このような状況がよく見られます。
表示回数が 1 なのに、クリック数が 2 。クリック率 200% ということがあります。
これはなぜなのか。
それは、表示とクリックの計測ロジックが異なるからです。
ざっくりいうと、表示は広告がWebページに読み込まれたタイミングでカウントされるのに対し、クリックはクリックというアクションが発生するごとにカウントされるのです。
クリック数が表示回数より多くなる原因
クリックしたあと「戻る」ボタンで戻って、もう一回クリックした
最も可能性の高い原因はこれです。
Web広告の表示回数は、戻るボタンで戻ったページではカウントされません。
それに対して、クリックは、戻った後のクリックもカウントされます。
表示(1)→クリック(1)→ページ遷移→戻るボタンで戻る→クリック(2)
こんな感じの流れですね。
データ表示期間によるもの
Web広告の管理画面でデータを見る際には、対象の期間を絞り込みます。これが表示回数とクリック数のずれの原因になるケースも。
表示回数とクリック数は、計測されてから広告管理画面に反映されるタイミングが異なります。
そのため、この期間内にはクリックがカウントされているものの、表示がカウントされていない、というケースもあり得ます。
Web広告のレポートにおいて、クリック数が表示回数より多くなるようなケースは、実はよくあります。上記のような可能性を考慮しつつ、「まあそんなもんか」くらいに捉えて、あまり細かく考える必要はないでしょう。