「インプレッションシェア」考えるべきポイント

「インプレッションシェア」とは、表示される可能性があった回数(推定値)で実際の表示回数を割った割合です。

インプレッションシェアの算出方法

実際の表示回数 ÷ 表示可能性の総数

インプレッションシェアは、Google広告とYahoo広告で確認できる指標で、競合他社と比較して自社の広告がどれくらいシェアを獲得できているかを測ることができます。

インプレッションシェアは、運用者が気にしておくべき重要な指標であることは間違いありませんが、どれくらい大事なのでしょう。また、どういったところに気をつけて数字を見ていけばいいのでしょう。

本稿では、インプレッションシェアを分析する上で、考えるべきポイントを解説します。

インプレッションシェアとは

まずは、インプレッションシェアとはなにか、整理しておきましょう。

Google広告やYahoo広告の管理画面で確認できるインプレッションシェアの指標は、大きく分けて以下の3つです。

  • インプレッションシェア
  • インプレッションシェア損失率(ランク)
  • インプレッションシェア損失率(予算)

この3つの関係性を図解すると、こうなります。

インプレッションシェアは、表示機会に対するシェア率であり、シェアがとれた割合(インプレッションシェア)、そしてそれに対してシェアがとれなかった割合を「インプレッションシェア損失率」として表しています。

「インプレッションシェア損失率」は、なぜシェアがとれなかったか、その要因別に細分化され2つに分かれます。「ランク」と「予算」です。

キタックの人

「損失率(ランク)」は、広告ランクが低くて表示機会を逃したケース、「損失率(予算)」は、予算不足が原因で逃したケースです。

広告ランクについては、以下の記事に解説があります!

ここまで、「インプレッションシェア」とはどういうものかの解説でした。

見方を変えてみると…

そもそもリスティングやディスプレイなどの運用型Web広告は、お金を払えば絶対に表示されるようなものではありません。広告掲載の前段階で、常に「オークション」が行われており、その都度のオークションで勝った広告だけが掲載されます。

インプレッションシェアの分母「広告表示の可能性があった数」は、言い換えると、「オークションへの参加数」と言えます。

つまり「インプレッションシェア」は、「オークションに勝った数 ÷ オークションに参加した数」と言えそうです。

こう考えてみると、インプレッションシェアについて見えてくる事柄もあります。

インプレッションシェアが「高い」ということ

インプレッションシェアは、高いほうがいい。それは間違いないでしょう。

でも、何を犠牲にしてでもこの数値を高めていけばいい、というものでもありません。やはり目的を見据え、バランスをとりながら数値を上げていく必要性があります。

インプレッションシェアを高めるには2つの方向性があります。

  1. オークションに勝つ回数(分子)を増やすこと
  2. オークションに参加する数(分母)を減らすこと

インプレッションシェアを考える上で、1の「オークションに勝つ回数」については、よく解説されていますよね。

入札金額をあげる、品質スコアを高めるなど、正攻法としてはこういったやり方があります。

しかし、2の「オークションに参加する数(分母)を減らすこと」でも、インプレッションシェアは高まるのです。これがけっこう見落とされがちかもしれません。

オークションに参加する数を減らす、とは

これはすなわち、「的を絞る」ということですよね。余計な場所、ターゲットに広告を配信しない、ということです。

当然ながら、競争相手の少ないオークションに出続けていれば、インプレッションシェアは高まります。

「インプレッションシェアが高い」というとき、その中身を紐解くと、分子(オークションでの勝率)が大きいケースと、分母(オークション参加数のサイズ)が小さいケース、この2パターンが現れます。

いいのは、「狙ったオークションに参加できていて、かつ勝てている」という状態です。

インプレッションシェアの数字だけみて一喜一憂するのではなく、まずこの状態にできているか、という分析は必要でしょう。
ここまでしっかり見た上で、インプレッションシェアの数値を評価していくべきです。

単純に、インプレッションシェアが高い、から、この広告はいい!という思考パターンは危険です。
もしかしたらこの数値の高さは、参加しているオークション自体のサイズが小さい、ということを意味しているかもしれないからです。

キタックの人

インプレッションシェア、奥が深いですね。分子だけでなく、分母にも気を配っておきましょう。
リスティングなら、登録キーワードが狭すぎないか、あるいは広すぎないか、といったところとか。

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この記事を書いた人

樋口 大輔

新潟県新潟市出身。信州大学を卒業後、東京の出版社に就職。その後、日本とアジアを放浪。社会復帰し、ウェブ制作会社(東京)〜ウェブ制作会社(新潟)を経て、2015年5月キタック入社。2020年4月より現職。