Google広告では、検索広告、ディスプレイ広告、動画広告などで「オーディエンス」設定が利用できます。
オーディエンスについては下記の記事をご覧ください。
キャンペーンごとに「オーディエンス」を選んでいくわけですが、その選んだオーディエンスに対してどのように広告を配信するのか、Google広告ではそのふるまい方を二種類からあらかじめ決めておく必要があります。
ここでいう二種類の選択肢は「ターゲティング」と「モニタリング」。
本稿では、一見分かりづらそうな「モニタリング」について、解説します。
ターゲティングとモニタリング
先述のように、Google広告のオーディエンス設定では、「ターゲティング」と「モニタリング」のどちらかのふるまい方を指定しておく必要があります。
ターゲティング
まずは「ターゲティング」から説明します。これは文字通りなので、分かりやすい概念だと思います。
「ターゲティング」なので、指定した設定のオーディエンスをターゲットにし、指定していないオーディエンスはターゲットにしません。
例えば、ユーザーの属性で「子供あり」と指定していれば子供のいない人には広告は表示されませんし、アフィニティで「スポーツファン」と指定していればそれ以外には配信されません。
モニタリング
それに対して、「モニタリング」を指定しておくと、ターゲティングした項目以外のユーザーにも広告は配信されるのです。
不思議ですね。それでは何のためにオーディエンスの設定するのか、と考えてしまいます。
では「モニタリング」は何のためにあるのかというと、「データを取るため」と言えます。
モニタリング指定の状態でオーディエンスを設定すると、配信ターゲットは限定されず絞り込まれませんが、オーディエンスごとのデータを取ることができるのです。
例えば、既婚未婚や子供の有無での比較、アフィニティカテゴリごとの数値なんかを取得し、分析できるようになります。
モニタリングが推奨されるキャンペーン
Google広告では、検索広告とディスプレイ広告のオーディエンス設定の際に、ターゲティングとモニタリングを指定することができます。(動画キャンペーンでは、モニタリングは利用できません)
それぞれ指定画面を見てみましょう。
検索キャンペーンの場合
ディスプレイキャンペーンの場合
キャンペーンの種類によって、推奨される設定が異なるんです!
- 検索:「モニタリング」推奨
- ディスプレイ:「ターゲティング」推奨
というわけで、検索キャンペーンでは「モニタリング」が推奨されています。
なぜでしょうか。
検索広告でモニタリングが推奨されるわけ
検索広告は、「検索ワードに応じて広告を表示させる」という大前提があるため、それ以上ターゲットを絞り込む必要がない、という側面があります。
仮に検索広告で「ターゲティング」指定でオーディエンスの設定を行った場合、指定ワードで検索した人の中でさらに設定オーディエンスによる絞り込みが行われます。
例えば、「チケット 購入」という検索キーワードに入札しつつ、オーディエンスに「スポーツファン」「ミュージックファン」「旅行好き」と設定している場合を考えてみましょう。
「モニタリング」であれば、ターゲットを絞り込むことなく、スポーツファンと音楽ファン、旅行好きといった興味関心に基づいたデータの分析が可能になります。
一方「ターゲティング」を指定してしまうと、配信対象が絞り込まれるため、設定した層以外の人には広告が表示されなくなってしまいます。
映画のチケットを買おうとして「チケット 購入」と検索した人には広告が表示されない可能性が高いでしょう。
ディスプレイ広告では「ターゲティング」を
検索広告とは違い、ディスプレイ広告では、ここのオーディエンス設計が対象を絞り込む重要なファクターです。ディスプレイ広告では特別な場合を除いて「ターゲティング」にしておきましょう。
誤ってモニタリングにすると、配信対象を絞り込んだつもりが絞り込まれておらず、広大な海にコインをばらまくような状態になってしまう危険があります。
オーディエンス設定における「モニタリング」という機能の意味、掴んでいただけましたでしょうか。使い方を間違えるとけっこう大変なことにもなりかねない機能なので、よく注意して利用していきましょう。