当サイトでは、これまで様々な記事でGoogle広告の入札戦略に関して解説してきました。入札戦略とは達成したい目標(コンバージョン獲得など)に応じて入札調整を行う機能です。今回は自動入札の応用編とも言える、「ポートフォリオ入札戦略」について解説します。さらっと読んでみてください。
※おさらい:「そもそも入札とは・・」に関して、過去にこれらの記事で解説しています:
ポートフォリオ入札戦略とは
通例、自動入札はキャンペーンごとに設定を行います。
ポートフォリオ入札戦略では、複数のキャンペーンを一括で設定、管理ができます。キャンペーン全体で1つの目標を達成するために、自動で入札単価を最適化してくれます。
導入のメリット
① 入札戦略の管理が楽に
特にキャンペーン数が多いアカウントは管理工数の面で恩恵が得られます。ポートフォリオ入札戦略では一括設定・一元管理が出来るので、個別に設定するよりもずっと少ない工数で済みます。
②最適化が早く進む
ポートフォリオ入札戦略ではキャンペーン全体で目標達成のための最適化が進みます。個別キャンペーンよりもデータが多く・早く貯まるので、最適化が進みやすくなります。
ポートフォリオ入札戦略の設定
設定方法
Google広告上での設定方法の詳細はこちらを参照ください:
利用可能な入札戦略
ポートフォリオ入札戦略で利用可能な入札戦略は以下のとおりです:
# | 入札戦略 | 内容 |
---|---|---|
1 | 目標コンバージョン単価(CPA) | 指定したコンバージョン単価(CPA)以下でコンバージョンをとっていくように自動入札していきます |
2 | 目標広告費用対効果(ROAS) | 投資額に対する成果、つまり、「かけた広告費に対して得られた売上」を最大化するための入札戦略です。 |
3 | コンバージョン数の最大化 | #1,2の単価や費用対効果ではなく、とにかく予算を使い切ってコンバージョンの数を最大化したい、というときに使う入札戦略です。CPAやROASを見ることなく、1日の平均予算を完全に使い切ることを目指します。 ※予算不足・機械学習不足の場合は、クリック単価高騰で予算消化してしまい、コンバージョンが取れない状況もあり得ます。逐次様子を確認しながら運用する必要があります。 |
4 | コンバージョン値の最大化 | 特定の広告費用対効果(ROAS)を設定するのではなく、指定した予算の範囲内でキャンペーン全体の合計コンバージョン値を最大化できます。 |
5 | クリック数の最大化 | クリック数 = トラフィック = 流入 が最大限得られるように、設定予算内で自動入札が行われます。 |
6 | 目標インプレッション シェア | インプレッションシェア(広告が表示可能だった合計回数のうち、実際に表示された回数が占める割合)最大限得られるように、設定予算内で自動入札が行われます。 |
これら以外の入札戦略を使いたい場合は、ポートフォリオ入札戦略ではなく、キャンペーンごとの自動入札や手動入札を行いましょう。ほかにどのような入札戦略があるのかは、こちらの記事で解説しています:
その他補足
入札単価の上限・下限設定も可能 ※ただし賛否両論
入札単価の上限・下限設定も可能です。クリック単価の高騰の懸念ある場合、上限金額を設定すれば指定金額より高くなることはありません。こうした設定ができること自体はポートフォリオ入札戦略の良い部分です。
ただ、入札単価の上限・下限設定をした方がいいのか/してもいいのかは意見が分かれるところです。
そもそも入札価格の自動調整が自動入札ですので、制限を加えることは自動入札のメリットを損なうこととも言えます。また、上記「メリット②:キャンペーン一元化で最適化が早く進む」で挙げたような機械学習の妨げに繋がります。
まずは制限なしで運用し、パフォーマンスを見ながら、必要に応じて制限をするのがよいでしょう。
共有予算機能と合わせて使うとより効率的
キャンペーン全体で入札戦略・目標を一元管理するポートフォリオ入札戦略と相性の良い機能に、「共有予算機能」があります。こちらはキャンペーン全体で予算をもち、複数のキャンペーンをまたいで効率的に予算配分をしてくれる機能です。併用で更なる運用・管理工数の削減に繋がります。
「共有予算機能」については、別の記事で説明します。
一元管理≠統合
キャンペーン全体で入札戦略や予算を一元管理することは、キャンペーンの統合とは異なることを抑えておきましょう。配信ターゲットの設定などは、それぞれのキャンペーン単位で指定したものが使われます。