Web広告ならではの重要指標「インプレッション シェア」とは

Web広告の効果を図る指標には、クリック数/率、コンバージョン数/率などサイトアクセス解析でお馴染みのものも多くありますが、広告ならではの「インプレッション シェア」「インプレッション シェア損失率」という認知効果を計る意味で重要な指標があります。

当記事では語句の意味やシェアを高める方法について説明します。

インプレッション シェアとは

インプレッション シェア

まず、インプレッション シェアについてです。

インプレッション シェア/ Impression Share 

広告が表示可能だった合計回数のうち、広告が実際に表示された回数が占める割合
インプレッション シェア (%) = 表示回数 / 広告が表示可能だった合計回数 で計算されます。

広告のトータルの表示機会(潜在能力)に対して、実際に表示された割合です。当然、高ければ高いほどよく、ここを上げていくのが広告の認知効果増を目指す上での目標になります。

インプレッション シェア損失率

次に、インプレッション シェア損失率について説明します。こちらは更にランク・コストの2種類に分かれます。

インプレッション シェア損失率(ランク)/ Lost Impression Share (Rank) 

広告が表示可能だった合計回数のうち、
広告ランク・掲載順位が低かった(⇒競合とのオークションに負けた)がゆえに、
広告が掲載されなかった回数が占める割合(%)

競合とのオークションに負けたことにより、広告表示のチャンスを逃した割合です。この数字が大きい程、機会損失が大きいと言えます。この割合は低ければ低いほど良いです。

インプレッション シェア損失率(予算)/ Lost Impression Share (Budget) 

広告が表示可能だった合計回数のうち、

一日の上限予算に達してしまっている(⇒予算不足)ががゆえに、

広告が掲載されなかった回数が占める割合(%)

一日の上限予算の設定が見合っておらず、配信が制限されて広告表示のチャンスを逃した割合です。こちらも上記同様、この数字が大きい程、機会損失が大きいと言えます。この割合は低ければ低いほど良いです。

インプレッション シェアを高めるには

「インプレッション シェア」・「インプレッション シェア損失率(ランク)」・「インプレッション シェア損失率(予算)」の関係を式で表すと以下のようになります。

インプレッション シェア (%)

= 表示回数 / 広告が表示可能だった合計回数

= 100%-(インプレッションシェア損失率(ランク)+ ~損失率(予算)

つまり、「広告ランク(競合とのオークション)」、「一日の上限予算」に因る二種類の機会損失に対して対策が必要となります。

「広告ランク」に因る機会損失への対処

広告ランクの低さゆえのインプレッションシェア損失率(ランク)を下げるには、
その逆、広告ランクを上げるが対処となります。広告の入札単価や品質を上げることで改善を図ります。(※広告の品質は広告の関連性・推定クリック率・ランディングページの利便性などの要素から決まります。)

「一日の上限予算」に因る機会損失への対処

予算不足ゆえのインプレッションシェア損失率(予算)を下げるには、
日予算の上限額を引き上げることが対処となります。難しい場合の次善の策としては、入札単価の引き下げ成績の悪いものを停止するなどで予算の消費を抑えることが挙げられます。

対処として、入札単価の引き下げを挙げていますが、上記の広告ランクを上げるための対策と相反してしまうところがポイントです。

対処のバランスも大切

入札価格を下げたことでインプレッションシェア損失率(予算)の方は良くなったが、インプレッションシェア損失率(ランク)の方は良くならない/むしろ悪化するような場合も起こり得ます。
その逆、損失率(ランク)を解消するために入札単価を上げたら、予算を圧迫して一日の上限に早く達するようになり損失率(予算)が大きくなってしまうような場合も然りです。

インプレッション シェアを上げるには「インプレッション シェア損失率(ランク)」・「インプレッション シェア損失率(予算)」の両方にとってバランス良く対処する必要があります。

入札戦略を変えてみる

例えばGoogle広告では、「認知拡大」に対して選択できる入札戦略が用意されています。

「目標インプレッション シェア」で例えば「ページの最上部のインプレッションシェアを50%に」などの設定をすれば、そこを目標に自動入札が行われます。

ここでは広告のクリックではなく、あくまで表示・露出(インプレッション)を問題にする、というところがポイントです。広告にある程度の情報が掲載されており、クリックしてウェブサイトに誘導する必要がそれほどない時、つまり広告を見てもらうだけで一定の目的が達成できる場合に有効です。

Google広告の入札戦略についてはこちらの記事で詳しく解説しています。当記事と合わせてご参照ください。


インプレッション シェア・損失率をしっかり確認し、機会損失に注意して運用していきましょう。

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この記事を書いた人

KA⚡AI

新潟県出身。早稲田大学卒業後、オーストラリアで修士、東京で経営管理システムコンサルティング、台湾の事業会社でのWebマーケティング・セールスを経て故郷新潟へUターン。2020年7月より現職。