どこに広告を「出さないか」も大事 – プレースメントの除外設定のすすめ

Web広告には様々なターゲティング方法がありますが、ディスプレイ広告や動画広告において「プレースメントターゲティング」という手法があります。「プレースメント」とは、広告の配信先となるWebサイト、スマホアプリ、オンライン動画のことです。

配信先を選ぶことも出来れば、除外することもできます。

どういった場所に配信して・どういった人に見てもらうか考えるだけでなく、反対にどこに配信しないかも大切です。いくら広告を見せても響かない層への無駄打ちが減ればその分の広告費を、ささる層に回せます。

今回はプレースメントの除外設定について、Googleディスプレイ広告を例に解説します。

プレースメントの確認方法

予め除外設定をしておくのもよいですが、プレースメントレポートで掲載結果を見て除外していく方が、誤って優良な配信先を除いてしまう可能性は少なくなるでしょう。

まずは広告が表示された場所(プレースメント)の確認

Google広告のメニューの [プレースメント]>[広告が表示された場所] で広告が表示されたサイト、アプリ、動画ごとの成果(表示回数、クリック数、コンバージョン数など)を確認できます。

プレースメントの除外設定

成果が芳しくない配信先は除外設定を行いましょう。

Google広告のメニューの [プレースメント]>[除外設定]から、広告 アカウント/キャンペーン/広告グループ の単位で指定が可能です。

では、何をもって「成果が芳しくない」と判断するべきかが肝となります。次の項で扱います。

除外を検討すべきプレースメント

コンバージョン率、クリック率、自社(商品/サービス)との関連性などの要素を複合的にみて判断することをおすすめします。

除外候補① コンバージョン率が悪い・自分のビジネスとの関連性が薄い

コンバージョン率が悪い=そのサイト・アプリの利用層が、自社のビジネスの利用層と合っていないという可能性が高く、ムダ打ちとなってしまいますので、除外した方がよいでしょう。※表示回数が十分にないと、たまたま悪かったという可能性もあるので、慎重に判断しましょう。

プレースメントの除外で、自社に合ったユーザーに絞り込み、コンバージョン数・率・単価の改善につなげましょう。

ただ、ディスプレイ広告では特に、認知拡大が目的でコンバージョン有無はそれほど重視していない場合もしばしばあると思います。その場合はクリック率に注目しましょう。

除外候補② クリック率が悪い

クリック率が低いとクリック単価が高くなりがちです。

広告の掲載有無・順位は広告ランクで決まります。クリック率は広告の品質を測る指標の一つで、クリック率が低い⇒広告の品質が低い⇒掲載のための費用(クリック単価)が高くなってしまいます。

ただ、クリック率が悪い・クリック単価が高い場合でも、コンバージョンがしっかりと出ており、コンバージョン単価も悪くないのであれば、まったく問題ないという評価になります。

こういったケースは往々にしてありますので、コンバージョン・広告費回収率といった観点でもみて、複合的に判断しましょう。

除外候補③ クリック率が良すぎるのも要注意

クリック率が良いに越したことはありませんが(上記の理屈ですと、クリック率が良い⇒広告の品質が高い⇒広告ランクが上がる⇒クリック単価が低くなる)、要注意の場合もあります。クリックはよくされていても、コンバージョンが少ないなどの成果に繋がっていない場合です。

その場合、広告の誤クリックによる流入が疑われます。誤クリックで流入してきたユーザーは、自分の意思ではないので、すぐに離脱します。そうするとコンバージョンが生まれない・コンテンツを見てもらえない・回遊されない、ただ費用だけが消化されるといった状況が生まれます。

広告を誤クリックさせるようなつくりのサイト・アプリはまだまだ散見されます。一昔前は子供向けYouTube動画に流れた広告を、子供が誤クリックするといったこともしばしばありました。(現在は子供向けとして設定された動画には、広告が表示されないようになりましたし、オーディエンスの設定もしていれば、こういったケースは少なくなっているかと思いますが)

プレースメントレポートをみて、とびぬけてクリック率が良いものは誤クリックを疑い、除外を検討しましょう。


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この記事を書いた人

KA⚡AI

新潟県出身。早稲田大学卒業後、オーストラリアで修士、東京で経営管理システムコンサルティング、台湾の事業会社でのWebマーケティング・セールスを経て故郷新潟へUターン。2020年7月より現職。