【まとめ】Web広告を出稿、オークションを経てユーザーに配信、課金されるまで  – Google検索広告を例に解説

当サイトでは、これまで様々な記事でWeb広告が配信されるまでのメカニズム・設定方法について解説してきました。本稿ではまとめとして、配信設定から実際にユーザー画面に広告が表示されるまでどのようなプロセスを経ているのかを解説します。

Google検索広告を例に説明しますが、大まかな流れ・仕組みは他のWeb広告(ディスプレイ広告やSNS広告など)も同様となります。

オークション・入札などは初見では掴みづらいかと思います。まずは一度さらっと通して読んでみてください。

そもそも検索広告とは

ユーザーがGoogleやYahoo!など検索エンジンで検索したキーワードに紐付いて、検索結果ページに表示される広告のことです。検索連動型広告、リスティング広告(※)とも呼ばれます。

※広義ではディスプレイ広告もリスティング広告に含まれます。明確に分けるため、当サイトでは検索広告と呼称しています。

検索広告
検索結果ページにテキスト広告を表示

①広告主が広告の目標、オークションでの入札戦略・入札単価を決める

ここでの選択が、どのユーザーへ広告配信対象とするか、③のオークション発生・入札競争結果に関わってきます。オークション?入札?とわかるようなわからないような言葉が並びますが、まずは読み進めてみてください。

まず出稿しようとしている検索広告の目標を登録します。基本的には、以下の4つのどれかから選ぶことになるでしょう。

  • コンバージョン(サイト内でのユーザー行動、フォーム送信・会員登録・購入など)を多く獲得する
  • ウェブサイトへのアクセスを増やす
  • ブランドの認知度向上
  • 動画をたくさんみてもらう

つづいて、広告の日予算(1 日あたりの平均費用として希望の額)と入札戦略を設定します。入札戦略は、大別して二つに分けられます。自動入札と、手動入札です。

  • 自動入札は、広告の目標に応じて、入札単価が自動的に決まる仕組みです
  • 一方、手動入札は、グループや広告ごとの入札単価を自分で設定します。

「入札とは」に関して、詳しい内容はこれらの記事で解説しています:

また、Google広告の実際の設定についてはこちらの記事をご参照ください:

②広告主がキーワードを登録・広告を配信する

つづいて、ユーザーがどういったキーワードで検索した際に、検索結果に(どの)広告を出すのかを設定します。

登録キーワードは、ユーザーが実際に検討したキーワードと一言一句一致している必要はありません。マッチタイプの設定で、部分一致していれば広告を出すなどの条件設定が可能です。詳しくはこちらの記事で解説しています:

検索キーワードだけでなく、ユーザーの属性(所在地、興味関心など)の設定で、広告を出す条件をさらに絞ることもできます。

これらの設定を行ったら、広告を配信します。設定は配信開始後・配信中に変更することもできます。

③ユーザーが検索→登録キーワードと一致でオークション発生

②で登録したキーワードを検索しているユーザーの広告枠を巡って、広告の掲載有無・掲載順位を決めるオークションが発生します。

ユーザーがGoogleやYahoo!で検索の都度、こうしたオークションが行われています。

ユーザーが検索するごとにオークションが発生

余談ですが、こちらの調査によるとGoogleでは1秒間で約5万5千の検索が行われているそうです。

どのようにオークションの勝ち負けが決まるかは次項で説明します。

④ユーザーの検索結果に広告が表示される

③で発生したオークションを勝ち抜いた広告がユーザーの検索画面に表示されます。

広告の掲載有無・掲載順位を決定づける要素は主に、①で設定した「入札単価」と「広告の品質」です。入札金額は重要な要素ですが、それだけではないところがポイントです。予算を多く割いて入札したからといって、広告枠の上位に掲載されるとも限らず、反対に低予算でも上位に表示されるチャンスもあります。

「入札金額」と「広告の品質」とその他要素を加味して、Googleはオークションの都度、各広告の「広告ランク」を算出し、それに基づいて掲載順位を決めます。

広告ランクについてはこちらの記事で解説しています:

一般的には、検索量が多い・あるいは入札している競合が多いキーワードほど、競争が厳しくなります。

※金額「だけ」では広告掲載・順位は決まらないと述べましたが、入札単価は最も影響力のある要素であることは確かです。言い換えれば、手っ取り早く広告ランクを上げて、広告を上位表示するには、入札単価をあげればいい、という見方もできます。詳しくはこちらの記事で解説しています:

※オークションの結果 – どれだけ競合他社に勝っているのか・予算不足によりどれだけ表示機会を逃しているかは、広告成果のレポート上の「インプレッションシェア」で確認することができます。詳しくはこちらの記事で解説しています:

⑤結果に応じて広告主へ課金される

基本的には、掲載された広告がクリックされるごとに費用が発生します。
広告がクリックされなければ費用は発生しないため、「ムダな費用が発生しない」というのが最大のメリットです。

課金方式は他にもありますが、基本はクリック課金で、多くのWeb広告がデフォルトでこれを採用することになります。詳しくはこちらの記事で解説しています:

クリックの単価は③のオークションの際に決まります。①で設定した予算内で収まるよう入札されますので、予算オーバーすることはありません。(厳密には、日予算をオーバーすることはありますが、1か月単位では日予算× 30.4 日(365 日÷12 か月)の費用を上回ることはありません。)ご安心ください。

1 か月の請求額の上限について

キャンペーンの費用は、日によって 1 日の平均予算を超える(最大で 1 日の平均予算の 2 倍になる)ことがありますが、1 か月の請求額の上限を超えて請求されることはありません。この上限は過剰請求を防ぐためのものです。つまり、予算が 1 か月を通じて変わらない限り、1 日の平均予算に 1 か月の平均日数である 30.4 日(365 日÷12 か月)を掛けた金額を上回る金額が請求されることはありません。

Google広告ヘルプ

https://support.google.com/google-ads/answer/2375423?hl=ja

繰り返しになりますが、検索量が多い・あるいは入札している競合が多いキーワードほど、競争が厳しくなり、クリック単価も高くなる傾向にありますので、パフォーマンスに応じて広告費用を見直しましょう。


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この記事を書いた人

KA⚡AI

新潟県出身。早稲田大学卒業後、オーストラリアで修士、東京で経営管理システムコンサルティング、台湾の事業会社でのWebマーケティング・セールスを経て故郷新潟へUターン。2020年7月より現職。